相場の「高値」と「安値」を自動でマーク(描写)できる、
『ZigZag(ジグザグ)』
というインジケーターでは、その高値、安値をマークする条件を
以下のようなパラメーターの設定によって調整できるようになっています。
Tradingview(トレーディングビュー)
・偏差(Deviation) ・深さ(Depth) |
MT4(メタトレーダー4)
・Deviation(偏差) ・Depth(深さ) ・Backstep(反転期間) |
私は「tradingview(トレーディングビュー)」というウェブツールを使っているため、
前者のような「偏差(Deviation)」と「深さ(Depth)」の設定のみですが、
MT4では、もう1つ「Backstep(反転期間)」というパラメーターも設定できます。
こちらの記事では、これら『ZigZag(ジグザグ)』のパラメーターについて、
それぞれ、何を設定するパラメーターなのか、などを解説していきたいと思います。
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ZigZag(ジグザグ)というインジケーター自体のロジックについては、
以下の記事で詳しく解説していますので併せて参考にしてください。
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ZigZag(ジグザグ)の各パラメーター設定について。
ZigZag(ジグザグ)を設定するとチャート上には以下のような「高値」「安値」が描写され、
その高値、安値としてマークされたポイントが直線ラインでグラフ状になっていきます。
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上記は「Tradingview(トレーディングビュー)」に描写して『ZigZag』で、
デフォルト(初期設定)で設定されている各パラメーターの値は
・深さ(Depth) :10 ・偏差(Deviation):5% |
となっています。
それぞれのパラメーター設定の詳細は以下の通りです。
・深さ(Depth):高値、安値のマーキングを対象とする期間(ローソク足の本数) |
・偏差(Deviation):高値、安値を描写するレートの転換率(%) |
つまり「Tradingview(トレーディングビュー)」の初期設定の場合で言えば、
深さにあたる「10本のローソク足」をカウントの対象とした上で、
・1つ前の描写ポイントが高値なら、次の最安値をマークする ⇒ マークした最安値より5%のレートの反転があれば高値を描写する ・1つ前の描写ポイントが安値なら、次の最高値をマークする ⇒ マークした最高値より5%のレートの反転があれば安値を描写する |
このような処理で、高値および安値となるポイントを描写しています。
その上でMT4では「Backstep(反転期間)」というパラメーターで、
・Backstep(反転期間):描写ポイントの最小期間(ローソク足の本数) |
このような設定も可能となっているため、こちらを「5」と設定した場合には、
ローソク足5本分の間隔が空かない限り「安値」「高値」は描写されないという事です。
深さ、偏差、反転期間の設定で任意の高値、安値を自動描写。
上記で解説した各パラメーターの設定とその「ロジック」の関係から、
ZigZag(ジグザグ)によって描写されていく最新の高値、安値となるポイントは、
・最新安値、高値に対してDepth値内のローソク足による高値、安値更新があれば更新して描写 ・最新高値、安値に対してDepth値内のローソク足による偏差以上の反転レートがあれば描写 |
このようなロジックによって高値、安値が描写されていくロジックとなっているため、
最新の高値、安値に対する反転レートが偏差(Deviation)の設定値を超えない限り、
その最新の高値、安値は「仮」の状態でマーキングされ続ける事になります。
この時の偏差(Deviation)の比率は現在レートに対する変動率にあたるため、
仮にビットコインが500万円の時に5%の偏差(Deviation)を設定した場合には、
「最新の(仮の)高値または安値に対して25万円以上の反転レートの確定が描写条件」
という事になるため、このような描写条件が満たされない限りは、
最も新しく描写されている高値または安値のポイントは「仮」の状態となります。
よってDepth値内のローソク足による高値更新、安値更新がある度に、
その高値、安値の描写ポイントはどんどん書き換えられていくわけです。
例えば以下のように安値更新が続くと『ZigZag』の安値の描写ポイントは、
一定範囲内で安値更新が続く度に書き換えられていく形になるという事です。
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上記のような現象を「リペイメント」と言うのですが、
「ZigZag(ジグザグ)はリペイメントありきのインジケーター」
という前提で利用する必要があるため、実質的に「指標(アテ)」になるのは、
常に最新の高値、安値よりも「前」に描写されている安値、高値という事になります。
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つまり『ZigZag』は上記のような特性を踏まえて、
・最も新しく描写されている高値、安値はアテにならない ・高値の後の安値、安値の後の高値が描写された時点で1つ前のポイントが確定する |
このような前提で利用していく必要があるという事です。
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また『ZigZag』で描写される安値、高値はローソク足の安値、高値で判断するため、
ヒゲが伸びているローソク足の場合はヒゲの先端のレートが対象となります。
よって、終値(ローソク足の実体)をベースとする「高値」「安値」を重視して、
その更新の有無などに重きを置きたい場合は『ZigZag』は使えません。
一般的には、終値(ローソク足の実体)で安値、高値を判断したり、
その更新の有無を重要視するトレーダーの方が多いのではないかと思いますし、
現に私も終値を重視しているため『ZigZag』は基本的に使っていません。
実体で高値、安値を描写するタイプの『ZigZag』も、
いわゆるカスタムインジケーターとして公開されている事がありますが、
一般的な『ZigZag』はローソク足の安値、高値が描写の対象になっているという事です。
ZigZag(ジグザグ)のロジックを踏まえたを有効活用の決め手。
ここで解説したロジックを踏まえて、私がZigZag(ジグザグ)を利用していない理由は、
・ローソク足実体の終値による高値、安値更新を絶対的に重視している ・トレンドが転換した高値レート、安値レートをシビアに判断したい |
といった理由が主なところです。
結局のところ、この『ZigZag』というインジケーターは、
「トレンドが転換した高値、安値を自動描写できるインジケーター」
にあたるため、それらを「手軽」に自動描写できるメリットがある分、
必ずしも「トレンドの転換ポイント」を厳密に描写できるとは限りません。
内部的に行っている事は、あくまでも一定範囲の変動レート(ローソク足)を対象に、
・高値更新、安値更新の有無 ・パラメーターで定めた転換レート(転換率)の有無 |
これらに準じて機械的に高値、安値をマークして描写しているに過ぎません。
ですが、実際の相場におけるトレンドの転換ポイントにあたる「高値」「安値」は、
一定範囲以上のレート転換があれば、そこが転換のポイントに該当するわけではなく、
それこそ、これはトレーダーによっても、考え方や見解が異なる部分です。
その点で、このようなトレンドの転換が伴った「高値」「安値」の考え方において、
確固たる根拠に基づく判断基準があり、そこを「シビア」に判断していきたい場合は、
今回取り上げた『ZigZag』は、実際のところあまり使いものにならないと思います。
逆に『ZigZag』を有効に実用できるのは、
・高値、安値を一定範囲の転換レート(転換率)で判断したい ・そのようなロジックを前提とする高値、安値の目安を自動描写できれば良い |
このような人が対象になるという事です。
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トレンドの転換ポイントとなった「高値」「安値」の基準や考え方については、
以下の講座でも詳しく言及していますので、併せて参考にしてください。
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ここでは『ZigZag』の各パラメーターの設定について解説させて頂きました。
是非、参考にしてください。