いわゆる「投資」および「トレード」といった資産運用においては、
「何を対象とする投資で資産を運用するのか」
といった『投資対象の選択肢』が幾つか存在します。
ただ、この『投資対象の選択』は、資産運用の上で、
どのようなリターンを狙っていくのかで変わってくる部分が大きく
実際の資産運用における投資リターンは、主に以下の2つに分類されます。
・インカムゲイン:投資対象から定期的に得られるリターン
・キャピタルゲイン:投資対象の売買によって得られるリターン |
前者の「インカムゲイン」は、株式投資における株主配当、
為替投資(FX)におけるスワップ金利(スワップポイント)、
不動産投資における家賃収入などが該当するもの。
対する後者の「キャピタルゲイン」の方は、
投資対象のレート変動によって生じる売買差益を意味します。
その上で、長期的な視点で安定したリターンを狙えるのはインカムゲイン、
短期的にでも大きなリターンを狙えるのはキャピタルゲインの方で、
私は主にこの「キャピタルゲイン」を狙って資産運用を行っているわけです。
そして、この「キャピタルゲイン(売買差益)狙いの投資行為」の事を
一般的に『トレード』と呼ぶわけですが、その主な対象となるのは、
インターネットを介して簡単に売買を行えるようになっている、
・株式市場を対象とする株のトレード
・為替市場を対象とするFXトレード
・ビットコインを筆頭とする仮想通貨のトレード
この3つではないかと思います。
よって、この記事では、いわゆる『トレード』の対象とする場合の
上記の各市場のメリットや違いなどをそれぞれ言及していきたいと思います。
結論から言うと私は「最も有利な売買」を行う事ができる、
ビットコイン(仮想通貨)の相場をメインにトレードを行っています。
ただ、仮想通貨の相場は株や為替よりも「新しい相場」のため、
意外にそのメリットや優位性が正しく認知されていません。
ここでは、そんな「仮想通貨のトレードが有利な点」なども、
株の売買や為替相場のFXなどと比較する形で具体的に言及させて頂きます。 |
株式投資、為替相場のFX、ビットコインのトレードを比較してみた。
株式市場、為替市場、仮想通貨市場、この3つのマーケットを、
キャピタルゲイン狙いの売買(トレード)の対象として比較する場合、
私は以下の4つの順序でそれぞれを比較する流れが合理的かと思います。
1:値動きの構成要因(値動きの予測における優位性)の比較
2:取引手数料、スプレッドの比較
3:取引時間の比較
4:税率の比較 |
この4つはいずれも重要な判断材料になるものですが、
強いて順序をつけるなら「上位にあるものほど重要」かと思います。
「1」「2」は「勝ち負け」にそのまま影響してくる部分であり、
そもそも「トレードで勝てない事」には話にならない事から、
まずは「1」と「2」をとくに重要なポイントとして比較します。
対して「3」と「4」は勝ち負けまでは左右しませんが、
やはり、実際に「リターン」には大きく関係してきますので、
次に重要なポイントとして比較していきたいと思います。
値動きの構成要因(値動きの予測における優位性)の比較
これは、その「値動き」を実際に予測していく上で、
どのような分析対象に比重を置くべきなのかという点で、
・ファンダメンタル分析の比重
・テクニカル分析の比重
この「どちらが大きいか」という視点でそれぞれの相場を比較します。
ファンダメンタルの影響に伴う値動きの比重が大きいものほど、
テクニカル分析による値動きの予測が「不利」になり、
ファンダメンタルの影響に伴う値動きの比重が大きくないものほど、
テクニカル分析による値動きの予測を「有利」に行えるわけです。
よって、これは自分がファンダメンタルに比重を置くのか、
それともテクニカル分析に比重を置いていくのかで、
値動きの予測を有利に行える市場の「答え」は変わる事になります。 |
その上で、その相場におけるファンダメンタルとテクニカルの比重の大きさは、
『現在レートの理由(要因)や根拠を説明付ける事ができるか否か』
といった視点でそのまま判別する事ができます。
実際に、その時点のレートの理由や根拠を説明付ける事ができるものは、
言わば特定のファンダメンタル的な要因でレートが定まっていると考えられるため、
そのような相場は「ファンダメンタルの比重が大きい」という事になるからです。
そして、このような条件を前提に考える場合、
「ファンダメンタルの比重(影響)が最も大きいのは株式相場」
であり、そもそも株価というのは、その株を発行している会社が存在し、
その会社の「資産的価値」をそのまま表しているものに他なりません。
このような計算式の上で算出できる金額が、
言わば「その会社の価値」という事になるため、
これに対するその会社の保有資産や業績の見通しなどで、
「その株の適正価格(適正な株価)」
にあたるものを、ある程度は算出する事ができるわけです。
その「適正価格」に対して、現在の株価が割安か割高かを分析し、
先々の見通しが明るい割安株(いわゆるバリュー株)を狙うというのが、
まさに「ファンダメンタル分析の王道戦略」という事になります。
※これを徹底して株式投資で大成功を収めているのが、
世界一の投資家と言われる「ウォーレン・バフェット」です。 |
また、レートの算出根拠が株式相場の株価ほどは明確にならないものの、
為替レートもファンダメンタルの影響で変動する余地が大きく、
・雇用統計
・GDP(国内総生産)
などの「経済指標の発表」がレートの変動を引き起こす事も珍しくありません。
そんな株式相場、為替相場に対してファンダメンタルの影響が薄いのは、
やはり、ビットコインなどを筆頭とする「仮想通貨の相場」です。
そもそも仮想通貨は適正価格のようなものが「あってないようなもの」であり、
その筆頭であるビットコインのレート変動の推移を実際に振り返っても
・2016年1月頃:50万円台
・2017年1月頃:110万円台
・2018年1月頃:180万円台
・2019年1月頃:40万円台
・2020年1月頃:80万円台 |
と、かなりの振り幅がありますが、この間のレートの変動についてや、
その時点のレートの理由や根拠を説明付ける要因は、ほぼ無いに等しく
「推移の結果、そのようなレートになっている(なっていた)」
としか言いようがありません。
2018年の180万円に対して2年後の2020年の80万円のレートでは、
2倍以上、約100万円近い大きなレート差があるにも関わらず、
その価格差における根拠や要因をろくに説明付ける事ができないわけです。
それこそ株価や為替レートが50%もの幅で変動したものなら、
「そこには何らかの明確な要因がある」
と考えられるため、最低限、その要因や理由を説明付ける事が出来ます。
ですが、仮想通貨では「これ」という要因や理由を、
明確な形で説明付ける事が出来ない大きな変動が常にあり、
更に仮想通貨の筆頭に挙げられるビットコインは、
「発行を担う機関や組織が存在しない」
という事が1つのアドバンテージにもなっているため、
株を発行している「企業」や法定通貨を発行している「国家」など、
その発行元に対する波風でレートが変動するような事もありえません。
故に、仮想通貨はファンダメンタル的な要因に対して、
それがどのくらい、実際のレートの影響を及ぼすかが不透明であり、
ファンダメンタル的な要因に対するレートの変動が予測できない以上、
「テクニカル分析によってそれを予測する以外に手立てがない」
という事です。
故に、ビットコインをはじめとする仮想通貨の相場は、
テクニカル分析との相性がこの上なく良い傾向にあります。
よってファンダメンタル分析に比重を置いてトレードを行いたいなら、
株式相場が最もファンダメンタル分析に基づく値動きの予測が「有効」であり、
ファンダメンタル分析よりもテクニカル分析に比重を置きたいのであれば、
「ビットコインをはじめとする仮想通貨の相場が最も有利」
と言えるわけです。
▼ 為替相場の分析(予測)が最も難しい?
為替相場は、ファンダメンタルの影響も強く受ける相場でありながら、
その影響を株式相場ほど明確に説明付けられるわけではありません。
かと言って仮想通貨ほどファンダメンタルの影響が薄いわけでもないため、
ファンダメンタル分析とテクニカル分析を複合的に行う必要があります。
更にその上で「2カ国間のレート差を分析する」という特性から、
複数の通貨、および通貨ペアの動向も複合的に判断する必要もある事から、
「その攻略における難易度が最も高いのは為替相場」
というのが、私の私見です。
よって、ファンダメンタル分析に比重を置くなら株式相場、
テクニカル分析に比重を追うなら仮想通貨(ビットコイン)の相場。
この二者択一が最初の時点では「無難」というのが私の考えです。 |
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取引手数料、スプレッドの比較
ここではあえて「取引手数料」と「スプレッド」を併せて考察しますが、
これは要するに『取引を行うごとに生じるコストの比較』です。
ここで言う「取引手数料」は取引ごとに『手数料』として差し引かれるもので、
対する「スプレッド」は取引の際に生じる売値と買値のレート差の事を言います。
スプレッドと手数料の違い|FX,仮想通貨の取引コストの詳細
各取引会社、取引所では「手数料無料」を謳っている場合、
実際の取引時には「スプレッド」が生じている場合がほとんどのため、
実際にトレードにおける取引口座を開設していくような場合は、
・取引手数料
・スプレッド
この2つを確認した上で、好条件な口座を開設する必要があります。 |
まず「株の売買」においては『手数料の発生が基本』であり、
具体的な手数料は証券会社によっても異なりますが、
・取引ごとに手数料が徴収されるプラン
・一日の取引額に応じて一定の手数料が徴収される定額プラン
この2つのプランに応じて以下のような金額がその目安となっています。
(取引ごとの手数料)
10万円以内: 100円~200円、100万円以内:400円~800円
(定額※1日の手数料)
100万円以内: 0円~500円、100万円以上: 800円~1000円 |
よって、一日あたり100万円ほどの売買を行っていった場合、
定額の場合で1カ月(土日・祝日を除く20日ほど)あたり2万円前後、
取引ごとの手数料の場合でも1万円ほどの手数料がかかるという事になります。
***
これに対して為替相場のトレードで一般的に用いられるFX(証拠金取引)では、
取引手数料は無料な場合が多いものの、そのような手数料無料の取引会社では、
「取引ごとに一定のスプレッド幅が生じる」
という形になっています。
その場合のスプレッド幅も、取引会社、また、通貨ペアによっても異なりますが、
かなりザックリとした数字として、以下がその目安となるスプレッド幅です。
ドル円(USD/JPY) :0.001円~0.002円
それ以外の主要通貨ペア:0.002円~0.02円 |
例えば、ドル円のスプレッド0.002円は、
100万円分のポジションを建てた場合で20円、
1000万円分のポジションを建てた場合で200円に相当します。
FXの取引会社は、この「差額(スプレッド)」で儲けているわけです。
***
対して仮想通貨のトレードを行える「ビットコインFX」などでは、
取引手数料もスプレッドも無いに等しい条件で取引を行える取引所があるため、
どちらにおいても非常に有利な条件で取引が行えるようになっています。
例えば、私が実際に利用している以下の取引所などは
板取引が主体となっているためスプレッドは無いに等しく、
取引手数料も実質かからない形で取引を行っていく事が出来ます。
bitFlyer(ビットフライヤー)
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bybit(バイビット)
|
・bitFlyer(ビットフライヤー)の取引手数料:無料(※)
・bybit(バイビット)の取引手数料 :-0.025%~0.075%
上記の「bitFlyer」では取引手数料は原則、無料となっていますが、
保有ポジションに応じて一日に一度、徴収される「スワップ手数料」があり、
「終日時点で保有しているポジション数量×0.04%」
こちらがスワップ手数料の発生条件となっています。
※ただし、これは日をまたぐタイミングでポジションを保有していなければ、
実質的に徴収される事はないため短期的な売買を前提としている場合や、
ポジションの一時的な解消などで手数料の徴収は容易に回避する事が出来ます。 |
ちなみに「板取引」というのは、そのサイトを利用しているユーザー同士の、
・買い注文
・売り注文
それぞれが以下のような「板」と呼ばれる一覧に表示され、
そこで売買が行われていく取引形式の事を言います。

為替相場のFXのように、売値と買値をサイト側が表示する形式の場合、
サイト側が定める一定のスプレッド(価格差)が常に発生する状況となりますが、
板取引では『売り手と買い手の注文価格が互いに寄り合っていく状況』となります。
結果的にスプレッド(価格差)が必然的に狭まっていく状況となるため、
実質的に「スプレッドが無いに等しい状況」で取引を行えるわけです。
このような「板取引」は、株の取引などでも行われているものであり、
故に、株の売買であまりスプレッド(売値と買値の差)が意識される事はありません。
ただ、株の場合は取引ごとの手数料が発生する形になっているという事です。 |
また、海外運営の仮想通貨取引所である『bybit(バイビット)』の方は、
注文方法で手数料が変わる仕組みであり、以下がその手数料条件となっています。
(bybitの取引手数料)
・指値注文(金額を指定する形の注文) : 注文数量 × -0.025%(0.025%の還元)
・成行注文(現在のレートで約定する注文): 注文数量 × +0.075%(0.075%の徴収) |
上記における『-0.025%』というのは「手数料が還元される」という事であり、
指値注文で取引を行っていけば、手数料を貰えてしまうという事です。
また、この手数料は、エントリー時点と決済時点の両方で発生するため、
ビットコイン100万円分のポジションを建てて解消(決済)した場合
・エントリー時点:100万円×0.025% = 250円
・決済時点 :100万円×0.025% = 250円
このような手数料収益が、ポジション生成および解消する度に貰えるため、
取引回数を重ねていけば、これだけでもかなりの収益になっていきます。
つまり、こうしたスプレッド、手数料による「コスト」の面でも、
「仮想通貨(ビットコイン)は株や為替よりも圧倒的な優位性がある」
という事です。 |
取引時間の比較
以下、各市場の「取引時間」の違いです。
・株式相場:平日9時~11時30分(前場)12時30分~15時30分(後場)
・為替相場:平日は24時間取引が可能(土日は取引不可)
・仮想通貨:平日、土日を問わず24時間365日取引が可能 |
こちらの通り、株式相場は、土日、祝日は市場がクローズとなり、
平日の決まった時間内で無ければ、基本的に取引は行えません。
為替相場は「時間的な制約」は無いものの、
やはり土日はマーケットがクローズとなるため、、
土曜の早朝から月曜の早朝までは取引を行う事が出来なくなります。
対して、仮想通貨の相場は市場がクローズする事がないため
24時間、365日、いつでも売買(トレード)を行う事が出来ます。
仮にトレードを「本業にする」というのであれば、
やはり、取引を行える時間や日にちは多いに越した事はありませんし、
副業にするとしても、土日、祝日にトレードを行いたい人は少なくないはずです。
要するに、この「取引時間(取引を行える対象時間)」という点でも、
「仮想通貨の相場は取引時間に制約がない」
という点で、大きな優位性があるという事です。 |
税率の比較
それぞれの市場で稼いだ収入に対する税率の違いは以下の通りです。
・株式相場:税率20%ほどの申告分離課税の対象にできる
・為替相場:税率20%ほどの申告分離課税の対象にできる
・仮想通貨:雑所得(最高税率50%ほど)としての申告が原則 |
上記の通り株、為替を対象とする形で稼いだ稼いだ収入は
税率20%ほどの「申告分離課税」の対象にできる優位性があります。
対して、仮想通貨の売買やトレードで稼いだ収入は、
現時点では「雑所得」の扱いとなり、稼いだ金額によっては
「50%ほどの最高税率が課税の対象」
となります。
ただ、これは「仮想通貨で稼いだ収入の税金が高い」というわけではなく、
何らかの事業や他の副業などで稼いだ場合も、この最高税率は変わりません。
よって、特別、仮想通貨の相場で稼ぐ事が税率面で不利というわけではありませんが、
「株や為替の相場で得た収入の税金(税率)が優遇されている」
という点においては、株式相場、為替相場に優位性があるという事です。 |
以上の通り、株式相場、為替相場、仮想通貨(ビットコイン)、
それぞれをトレードの対象とする場合におけるメリット、デメリットの比較として、
1:値動きの構成要因(値動きの予測における優位性)の比較
2:取引手数料、スプレッドの比較
3:取引時間の比較
4:税率の比較
この4つの比較条件とその詳細をそれぞれ言及させて頂きました。
結論として「1」「2」「3」は仮想通貨の相場に圧倒的な優位性があるものの、
4つ目に挙げた「税率」のみ、仮想通貨が不利な条件となっています。
ですが「税率」はあくまでも実際に稼いだ金額に対して生じるものですから、
そもそも「稼ぐ事」が出来なければ、税率の有利、不利は無関係です。
更に言えば、株式相場、為替相場に対する仮想通貨における、
その実質的な「税率の違い」は言っても20~30%ほどです。
少なくとも、私の場合、その「20~30%以上のリターン率の違い」は、
仮想通貨の相場を対象とする事で間違いなく生み出せていると考えられるため、
私は仮想通貨(ビットコイン)のトレードをメインに行っているわけです。 |
また、上記で挙げた「3」の『取引時間』はともかくとして、
1:値動きの構成要因(値動きの予測における優位性)の優位性
2:取引手数料、スプレッドの優位性
この2点は「勝ち負けそのもの」を左右する重要なポイントかと思いますので、
ここはしっかりと考慮した上でメインとする市場を選択する事をお勧めします。
***
その上で、このブログでは、仮想通貨(ビットコイン)の相場において、
最も相場分析における相性が良い「テクニカル分析」に重点を置いていますので、
他のブログ記事も、是非、併せてお読み頂ければと思います。
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