移動平均線は以下のような1本線形状(ライン)のインジケーターです。
テクニカル指標の中で、極めて知名度も高く利用しているトレーダーも多いため、
統計的な視点においても、有効性が高いと言われている指標の1つです。
ただ、この「移動平均線」という指標に対しての多くの人(トレーダー)の認識は、
「レートの一定範囲の平均値が時系列で線状に表示されていくもの」
という程度で、そのような「一定範囲の平均値を線状に表示したもの」が、
何故、テクニカル分析(値動きの予測)において有効な指針となるのか。
その理論的な理論やロジックをしっかりと分かっている人は一握りかと思います。
故に、実際のトレードやテクニカル分析で移動平均線を使っていく際も、
多くのトレーダーは、どこかに書いてあった「使い方」をそのまま鵜呑みにして、
「移動平均線がこのようになっている時は相場がこうなる(らしい)」 「移動平均線がこのようになったら買えばいい(らしい)」 |
というように、かなり漠然と移動平均線を使っている傾向にあるのが実情です。
ですが、そのような「判断基準」や「使い方」はかなり表面的なものでしかなく
そのような判断に至る「理由」や「背景」を理解しているかどうかで、
実際には、より有効なテクニカル分析やトレードを行える余地が十分にあります。
そこでここでは「移動平均線」における理論やロジックを言及した上で、
それらに沿った本質的な「使い方」や「判断基準」を示していきたいと思います。
「移動平均線」の理論とロジック。
移動平均線は一定期間のレートの変動値を平均化し、
その「推移」を線状に表していくものとなっているため、
「一定周期の相場の大まかな流れが移動平均線の形状で把握できる」
と言われています。
ローソク足などの実際の相場の動きでは「流れ」は読み取り難いため、
レートの平均値を線状にする事で、その「流れ」「方向」を把握するわけです。
以下のように移動平均線が「上向き」なら
平均的な売買レートが上昇している状況という事になるため、
相場のおおまかな流れは「上昇傾向にある」という事になります。
ただ、移動平均線は、どれくらいの「期間」を平均の対象とするかで
チャート上に表示される移動平均線の形状も異なるものになってしまいます。
よって、そこから読み取れる「相場の流れ」も変わるため、
・短期間(短時間)を対象とした移動平均線から読み取れる相場の流れ ・長期間(長時間)を対象とした移動平均線から読み取れる相場の流れ |
これらが、以下のように「真逆の方向」になるような事も珍しくありません。
上記で言えば150MA(150分間の移動平均線※緑色)は上向きなため、
この範囲の平均値の推移における流れは「上昇方向」という事になります。
ただ、もう1本の375MA(375分間の移動平均線※紫色)は下向きですから、
こちらの範囲の平均値の推移における流れは「下降方向」となっていた事になります。
このような場合では「どちらの移動平均線をチャートに表示しているか」で、
その時点の「相場の流れ」の捉え方も真逆になってしまうという事です。
ただ、この「移動平均線」におけるレートを平均するべき期間に決まりはなく、
『この範囲の期間を対象とする移動平均線こそが正しい(有効)』
というような「絶対的な移動平均線」のようなものは存在しないため、
チャート上に表示させている移動平均線の形状はトレーダーごとに異なります。
・20時間の移動平均線:20時間の平均レートの推移から読み取れる相場の流れ ・60時間の移動平均線:60時間の平均レートの推移から読み取れる相場の流れ |
このような「何時間」という範囲で移動平均線を表示しているトレーダーもいれば、
・75日間の移動平均線:60日間の平均レートの推移から読み取れる相場の流れ ・90日間の移動平均線:75日間の平均レートの推移から読み取れる相場の流れ |
このような「何日間」という範囲で表示しているトレーダーもいるという事です。
ただ「絶対的な移動平均線」にあたるものが存在しないからこそ、
・特定した期間のみを対象とする1本の移動平均線だけではアテにならない ・短期から長期まで複数の期間を対象とする移動平均線を複合的に見る |
といった前提から、移動平均線を表示させているトレーダーの大半は、
形状の異なる移動平均線を複数、チャートに表示させている傾向にあります。
その上で短期間、長期間、双方の移動平均線で相場の流れが一致している場合に、
「それぞれ移動平均線における相場の流れが一致している」
という見方ができるようになり、そのような相場が1つの狙い目となるわけです。
それでも移動平均線における有効な平均期間の設定値には諸説あるため、 実際のチャート上に表示されている移動平均線のパラメーターは、 短期間、長期間、いずれも、トレーダーごとに異なる傾向にあります。 ただ、一般的に「この平均期間(パラメーター)が有効」と言われている、 その具体的なパラメーター設定と、その理由などについては、
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「移動平均線」の使い方。
よって「移動平均線」の原則的な考え方、その見方としては、
「一定期間の平均レートの推移から相場の流れを読み取る」
というものであるため、そこから「読み取れる」とされているものは、
あくまでも「その移動平均線の推移から捉える事ができる流れ」に他なりません。
よって、その「流れ」が「実際の相場の流れ」を示しているとは限らず、
また、その「流れ」に沿った売買が必ずしも良い方向に転ぶとも限りません。
移動平均線から読み取れるのは「その時点の流れ」や「方向」であって、
実際の相場の流れや方向は、常に移り変わるのが実情だからです。
だからこそ、実際に移動平均線をテクニカル分析やトレードに用いる際は、
・移動平均線の方向転換を捉える ・移動平均線に対するレートの動向を捉える |
といった使い方を前提としているトレーダーが多い傾向にあります。
移動平均線の方向転換は、まさに相場の流れの切り替わりの目安となり、
また、移動平均線とレートが交錯するような状況などにおいては、
理論上、多くのトレーダーの損益状況が変動した事になるため、
「その状況がその後の売買や値動きに影響を及ぼす」
と考えられているからです。
「移動平均線」と「レート」の関係移動平均線は実質的に、平均の対象となっている期間内において、 ・対象期間に建てられた買いポジションに含み益が出ている という見方ができるため、仮に「移動平均線の下」にあったレートが、 このような相場状況となった時点で、 ・含み損が出ていた買いポジションがプラス転換 という状況となるため、このような状況下におけるトレーダー心理としては、 結果、売り注文よりも、売りポジション解消のための買い注文が多く入り、
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よって「移動平均線」は、その向きによって相場の流れを読み取りつつ、
「レートの動向と併せる形でテクニカル分析に用いていく形が基本」
となっています。
ただ、1本の移動平均線で読み取れるものは、あくまでも、
その平均レートの対象となった期間のみを対象とする動向となるため、
・特定した期間のみを対象とする1本の移動平均線だけではアテにならない ・短期から長期まで複数の期間を対象とする移動平均線を複合的に見る |
といった捉え方、使い方が一般的であり、そのような特性から、
全く別の指標と併用する形で利用しているトレーダーも少なくありません。
いずれにしても、インジケーターとしては極めて知名度が高い指標であり、
実際にチャートに表示しているトレーダーも非常に多い点も含めて、
「この指標の動向そのものがテクニカル分析に基づく売買に影響を及ぼす」
という見方も十分にできるレベルの指標である事は間違いないと思います。
指標の形状としても単一の移動平均線であれば1本のラインのみのため、
初心者でも扱いやすいテクニカル指標(インジケーター)の1つです。
私が推奨している『FXism及川デイトレ大百科』の及川圭哉さんのトレード手法も、
この「移動平均線」のみを用いた非常に有効なノウハウとなっていますので、
『移動平均線を使った有効性の高いトレードノウハウ』
に、もし、ご興味があれば、以下の記事も併せて読んでみてください。
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テクニカル分析については、他にも多くの記事を公開していますので、
是非、他のブログ記事の方も併せて参考にして頂ければと思います。