FX、トレードや投資のリスク(損失)とリターン(利益)は、
実質的に「比例するもの」と考えている人が多い傾向にあります。
要するにリターンを得られる可能性と同じくらいの大きなリスクがあり、
「大きなリスクを背負わなければ大きなリターンも得られない」
と思い込んでしまっている方が非常に多いわけです。
ですが、リスクとリターンの関係にはおける認識には「誤り」があり、
実際のFXやトレードにおいてリスクとリターンは必ずしも比例しません。
では、FXやトレードにおけるリスクとリターンにはどのような関係性があるのか、
それに伴う実際の「損失」や「利益」は何によって左右されるものなのか。
ここでは、それらの関係性や因果関係を解説していきたいと思います。
FX、トレードにおける「リスク」と「リターン」の関係について
FX、トレード、投資などにおいては「リターン」を追及するために、
一定範囲の「リスク」を抱える形になる事は実情として間違いありません。
ただ、その「一定範囲のリスク」の実質的な『範囲(リスクの大きさ)』は、
実際に売買を行っていくトレーダーの方で「定める(制限する)」ことができます。
これは具体的な「金額」にあたる部分も含めて、
「どれくらいのリスクを前提に売買(トレード)を行うのか」
というところは「トレーダー側が自由に定められる」という事です。
そこで実質的な「リスク」や、それに伴う形で生じるであろう「損失」は、
その金額なども含めて具体的に決められる(制限できる)わけですが、
・その時点で定める「リスク」の大小 ・その後のトレードで追及できる「リターン」の大小 |
これらは実質的に「無関係」なのが実情です。
そもそも、FX(トレード)における「リスク」や「リターン」は、
・どれくらいのポジションを建てるのか(投資資金 × レバレッジ倍率) ・相場がどれくらい変動したのか(ポジション数量 × 相場の変動幅) |
これらによって決まっていくものであり、これらはいずれも、
トレーダー側が自由に定められるものに他なりません。
その上で、前者の「投資資金」をどんなに大きな金額にしようとも、
相場の変動が伴わなければ、損失が膨らむ事も利益が膨らむ事もありません。
投資金額やレバレッジの倍率がリスクとリターンを左右するように思われがちですが、
「実質的にその大小を左右するのは相場の変動に他ならない」
という事です。
リスクとリターンを実質的に左右するものは、相場の変動幅。
いざ相場が「変動」していった場合における「リスク」や「リターン」は、
確かに、それに先立つ「投資資金」や「レバレッジ倍率」でも変わってきます。
ですが、
・多額の投資資金 ・高いレバレッジ倍率 |
これらに伴う「実際のリスク」や「実際のリターン」の大小は結局のところ、
ポジションを建てた後にどれくらい相場が変動したのかで決まるわけです。
その上で、
・どこまでの相場変動に伴うリターン(利益)を追及するのか ・どこまでの相場変動に伴うリスク(損失)を受け入れるのか |
これらはトレーダー側が自由に定めていく事ができるため、
実質的にリターン(利益)をほぼ青天井で「追及」していく事もできれば、
それに対するリスク(損失)を限りなく「制限」する事もできます。
一回一回のトレード(売買)において生じる「損失の可能性(リスク)」と、
そのリスクに対して追及する事ができる「リターンの大きさ」の因果関係として、
相場の変動に準じる形では、同じ「リスク」と「リターン」が伴います。
ですが、実際の「相場」を対象としていく場合においては、
一定範囲の相場変動が伴った時点(=一定の損失が生じた時点)で、
自らポジションを解消する事はもとより、その自動設定なども可能なため、
「リスク(損失)を一定の範囲に制限したトレード(売買)」
を行っていく事は何ら難しい事ではありません。
要するに、実際のFX(トレード)における「リスク」は、
・どれくらいのリスク(損失)を前提とする「ルール」でトレードを行うのか ・どれくらいの相場の変動が伴った時点で「損切り」を行うのか |
このような「トレードのルール」や「損切りの基準」によって決まるという事です。
ハイリスク、ローリスクはトレーダーが定めるルール次第。
つまり、FXやトレードにおいて伴う「リスク」と「リターン」は、
実質的にはトレーダー側が自由にコントロールできる側面がある事から、
・リスク(損失)を最小限に押さえる ・リターン(利益)を最大限まで追及する |
このようなルールを定めてトレードを行っていく事も「可能」となっています。
ですが、このようなルールを定めたトレードで実際に勝てる(稼げる)かは、
全くもって「別問題」であり、実際のところ、このようなルールで売買を行っても、
まず、大多数のトレーダーは「勝てない(稼げない)」という現実に陥ります。
例えば「ドル円」の為替相場を対象とするFXのトレードにおいて、
・ドル円の相場が10円の上昇が伴うまではリターンを追及する ⇒ 10円以上の上昇が伴うまで利食いをしない ・ドル円相場で1円の下降が伴った時点でそれ以上の損失を避ける ⇒ 1円の下降が伴った時点で損切りを行う |
このようなルールを定めてトレードを行っていくと「仮定」した場合、
相場が10円上昇する確率よりも、1円下降する確率の方が遥かに高いため、
実際のトレードでは「負ける頻度」の方が高くなると考えられます。
あとは、10円分の上昇を伴う確率(頻度)と1円の下降が伴う確率(頻度)が、
トータル的にどうなっていくかで「勝ち負け」が決まっていくわけです。
ただ、これを単純な「運任せ」で行っていくようなトレードスタイルでは、
少なくとも「勝つべくして勝つ(勝ち続ける)」という事は出来ません。
このように、FXにおける実際のトレード(売買)においては、
・リスク(損失)を最小限に押さえる ・リターン(利益)を最大限まで追及する |
このような「リスクの最小化」と「リターンの最大化」が必ずしも、
実際のトレード結果を向上させる要因になるわけはありません。
かと言って、リスクを高めた分だけリターンも大きくなるわけでもないため、
FX、トレード、投資における「リスク」と「リターン」の因果関係は、
・リスクを高めた分だけリターンが大きくなるわけではない ・リスクを最小限にする事が良い結果を生むわけではない ・リターンを最大限に追及する事が良い結果を生むわけでもない |
これが現実のため、実際のトレードにおける「勝ち負け」において言えば、
「リスクとリターンの大小が勝ち負けを左右する決定的な要因にはなるわけではない」
という事です。
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その上で、更に踏み込んで言えばリスクとリターンをコントロールできるからこそ、
勝つべくして勝ち続けられるリスクとリターンのコントロールこそが重要となります。
ただ、FXやトレードにおけるリスクとリターンは必ずしも比例するものではなく、
・大きなリスクを抱えなければ大きなリターンを得られないわけではない ・小さなリスクで大きなリターンを追及できないわけでもない |
これは事実として、間違いないため、それらのコントロールの方向性によって、
・ハイリスクでありながらローリターンなトレート ・ローリスクでありながらハイリターンなトレード |
この「どちら」も実現できてしまう事になります。
客観的に考えれば「ローリスク」で「ハイリターン」に越した事はなく、
そのようなトレードで勝ち続けられるのが「理想」なのですが、
多くのトレーダーはそれとは真逆の方向に進んでしまう傾向にあるのが実情で、
「それが多くのトレーダーがFXで勝てていない決定的な要因の1つ」
とも言われています。
そんな「ハイリスクローリターンなトレード」を多くのトレーダーが、
あえて行ってしまっている理由、要因については以下のような記事がありますので、
是非、こちらの記事も併せて参考にしていただければと思います。
↓↓↓
以上、FXやトレードにおけるリスクとリターンの関係性についてでした。
是非、参考にしてください。