FXで負けている大半の人は「損大利小なトレードをしている」と言われています。
 
小さい勝ちを重ねながらも、それ以上に大きい負け方をしてしまい、
いわゆる「コツコツ勝ってドカンと負ける」という状況に陥っているわけです。
 
ここでは、その「要因」や「理由」を追及していった上で、

「何故、多くのトレーダーはそのような負け方をしてしまうのか。」
「どうすれば、そのような負け方を避ける事が出来るのか。」

といった、具体的な「対策」なども併せて言及していきたいと思います
 

FXで損大利小、コツコツドカンと負ける人の心理傾向と理由。

FXにおけるトレードの「仕組み」を前提に考える場合、

・実際のトレードでどれくらいの利益を追及するのか(利益の大小)
・実際のトレードでどれくらいの損失を許容するのか(損失の大小)

これらは実際のところ「トレーダー側の判断」で自由に定める事ができます。
 
FXの損益はポジションを建てた後の相場の変動範囲で決まっていくものだからです。
 
ポジションを建てた後、相場がポジション方向か、その逆方向に動いていった場合、
そのポジションを自ら「解消」した時点で『利益』または『損失』が確定します。
 
つまり、FXではトレーダー側の自己判断でいつでもポジションを解消できるため、

・「損失」の制限(損益の大小)
・「利益」の追及(利益の大小)

これらを自らの「判断」や、トレードの「ルール」を定めていく事で、
いかにようにも「コントロール」していく事が可能なわけです。
 
その上で、FXにおける実際の「損失(リスク)」と「利益(リターン)」が、
実際に相場が変動していった「範囲(変動の大きさ)」によって決まっていく以上、
リスクの大小とリターンの大小は何ら比例するような関係性にはありません。

 
リスク(損失)を大きく見積もったからといってリターンが大きくなるわけではなく、
リターンを大きくするためにリスク(損失)を大きく見積もる必要もないわけです。
 
よって、普通に考えれば、

・損失(リスク)は最小限の範囲まで「制限」するに越した事はない
・利益(リターン)は最大限の範囲まで「追及」できるに越した事はない

という視点から「損失」を限りなく小さくできるようなトレードを徹底し、
できるだけ大きな「利益」を追及していく方が、遥かに「合理的」だと思います。
 
ですが、冒頭でもお伝えしたように「多くの負けているトレーダー」は、
以下のような「合理的なトレード」とは完全に「真逆なトレード」を行っています。

・「損失」の範囲を大きくする(損失を最大限まで大きくしてしまう)
・「利益」の範囲を制限する(利益を最小限に留めてしまう)

まさに「合理性に欠けるトレードを自らの意思で行っている」という事です。
 

多くのトレーダーが意図的に「不合理なトレード」を行ってしまう理由。

多くのトレーダーが明らかに「不合理的なトレード」を行ってしまう理由は、

「人間心理に共通して見られる傾向に起因している」

と言われています。
 
その「心理傾向」は『損失回避の法則(またはプロスペクト理論)』と呼ばれるもので、

・確定的な損失を避ける
・損失を回避できる可能性を求める
・確定的な利益を求める
・利益を確保できない可能性を避ける

人間の心理は統計的に「損失」や「利益」に対して上記のような心理傾向にあり、
この心理傾向が顕著に表れているのが「FXにおける損益」という事です。
 
FXは、その仕組み上、損失と利益の「保留」と「確定」を自ら決定できるため、
相場がポジションと「逆方向」に動いていくような状況においては、

・損失を確定したくない心理
・損失を回避できる可能性を求める心理

が強く働く事になるため「相場がポジション方向に戻る事」を期待してしまいます。
 
その結果として「含み損(損失)」をどんどん大きくしてしまうわけです。
 
対して、相場がポジションの方向に動いていくような状況においては、

・確定的な利益を求める心理
・利益を確保できない可能性を避ける心理

が強く働く事になり、早い段階でポジションを解消してしまう事になります。
 
このような心理傾向が結果として「損大利小なトレード」に繋がり、
まさに「コツコツ勝ってドカンと負ける」という状況を作り出してしまうわけです。

 

「損大利小」の回避策。

このような「損失回避の法則」に伴う「損大利小」なトレードは、
そのような心理傾向に基づく判断を避ける事によって『回避』できます。

・リスク(損失)を最小限に押さえる
・リターン(利益)を最大限まで追及する

このような「意思決定」または、そのような「ルール」を定めた上で、
それに基づくトレード(売買)を行っていけば良いという事です。
 
ですが、このような「損大利小」なトレードを徹底していったとしても、

「実際のトレードでは思うように勝てない(稼げない)」

のが現実であり、例えば「ドル円」の為替相場を対象とするトレードにおいて、

・ドル円の相場が10円の上昇が伴うまではリターンを追及する
 ⇒ 10円以上の上昇が伴うまで利食いをしない
・ドル円相場で1円の下降が伴った時点でそれ以上の損失を避ける
 ⇒ 1円の下降が伴った時点で損切りを行う

このようなルールを定めてトレードを行っていくと「仮定」した場合、
相場が10円上昇する確率よりも、1円下降する確率の方が遥かに高いため、
実際のトレードでは「負ける頻度」の方が高くなると考えられます。
 
あとは、10円分の上昇を伴う確率(頻度)と1円の下降が伴う確率(頻度)が、
トータル的にどうなっていくかで「勝ち負け」が決まっていくわけです。

 
ただ、これを単純な「運任せ」で行っていくようなトレードスタイルでは、
少なくとも「勝つべくして勝つ(勝ち続ける)」という事は出来ません。
 
そこで重要となってくるのが、

「テクニカル分析による優位性(値動きの統計確率)」

であり、その「優位性」が高ければ必然的に「勝率」を高められる事になります。
 
先ほどの例で言えば、

・ポジションとは逆の方向に1円の値動きが伴う確率
・ポジションと同じ方向に10円の値動きが伴う確率

この確率において単純な勝率が「10%」を超える形になれば、
理論上、トレードを繰り返すごとにトータル的な損益はプラスになります。
 
つまり、テクニカル分析の精度にそれに伴うトレードの勝率を引き上げる事で、

「統計的な確率の上で勝つべくして勝てるトレードを行えるようになる」

という事です。

***

また、あえてこの話の中では言及しませんでしたが実際のトレードには、

・取引手数料
・スプレッド

といった「取引コスト」が伴うため、これが実際のところ、
トータル的な「損益」や「勝ち負け」を左右する大きな要因となります。
 
このような「取引コスト」は、トレード(売買)を行う度に、
相場の変動とは無関係な「損失」となっていくものだからです。
 
よって、実際にFXのトレードで「利益」を実現していくには、

・優位性のある「テクニカル分析」を追及する事
・可能な限り「取引コスト」を押さえていく事

この2点が非常に重要なポイントになるという事です。
 
その上で「テクニカル分析」や「取引コスト」については、
別途、以下のような関連講座がありますので併せて参考にしてください。

↓↓↓

為替FXとビットコインFXのスプレッド、取引手数料の比較。

有効なテクニカル分析と意味のない指標分析の決定的な違い。

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